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■線路閉鎖責任者
1999年2月21日午前0時15分ごろJR東日本・東京支社管内の山手貨物線、目黒近辺で作業現場に向かう途中作業員5名が背面から進行してきた臨時の回送列車に触車して死傷するという事故が発生しました。
原因は作業責任者が、終列車が通過した以降は当該の臨時列車は運行されないと思いこみ、作業を開始したため、作業員が触車しました。
JR東労組は線路近接の作業については、線路閉鎖(作業中現場に絶対列車が進来しないよう、一定の手続きをして行う作業)を基本とする作業体制を確立しまた。
「作業優先から安全優先を」を掲げ、「命を守ろう」と訴えながら、議論を深めていき多くの職場で「安全」議論が創られ、安全意識の高揚が図られたのも事実です。
この山貨事故は、系統を超えて安全に対する議論を開始する端緒となったもので、この議論によって工務関係の安全対策は大きく変わりました。従来は昼間に列車と列車の合間を使って、見張り員のみで行っていましたが、最終列車が終了した後に「線路閉鎖」して原則的に列車を進入させずに作業を行うことになったのです。これは一方では基本的に深夜に行われるため、夜間作業が増大し働く者にとっては過酷なものとも言えますが、それ以上に5名の命から「自分の命、仲間の命を大切にすることを通じてしかお客様の命は守れない」ということを学んだのです。
どんな機械やシステムを導入しても、人間のミスが命取りになることもあります。「絶対の安全」は無いのだということを忘れず、機械やシステムと人間との調和を通じて安全な仕組みづくりを追求しつつ、「安全」の確立をめざしていきます。
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